はてなダイアラードラマ百選No.28『お見合い結婚』2000年/フジテレビ

ドラマフリークにとって一番の楽しみは、豪華なキャストをそろえて作られる大作を楽しむこともあるでしょうが、それ以上に拾い物のドラマに出会うことにあります。
2000年1月クールといえばドラマ界的にはあの『ビューティフルライフ』が放映された時。ご存じの様に『ビューティフルライフ』は最高視聴率40%を超える大ヒット作だったわけですが、そんな中この傑作に出会えたことを幸せに思います。
ストーリーをかいつまんで説明すると、結婚を誓い合った恋人に別の女性がいて婚約を解消することになってしまった元スチュワーデスの節子(演ずるは松たか子)と既婚者限定の海外赴任を受けようとした商社マンの光太郎(演ずるはユースケ・サンタマリア)がお見合いをすることになって・・・というラブコメディです。
特徴的なのはスタートがお見合い、というところだけで、*1ストーリーのパーツ的にはラブコメの王道中の王道、わかりやすすぎるぐらいわかりやすかったのですが、それなのに全く飽きさせない。それは、王道ストーリーが持つ力強さと、キャスト各々の魅力にあふれていたからだと思います。
それまでのお嬢様イメージを打ち破り、タバコをスパスパ吸いながらパチンコ通い、許せない相手には正面から啖呵をきる気の強い節子、イメージ通りの情けな〜い男なんだけど、決めるところはちゃんと決め、そして自分を変えようとした(それが皮肉にも愛し合う二人の中を引き裂くことになったのですが)光太郎の主役二人はもちろん魅力的なのですが、脇も魅力的。ぶりっ子で思いこみが激しく、好きな人にはフラれて好きでもない人に好かれるミカ(演ずるはさとう珠緒)、モデルばりのナイスプロポーションと知的な魅力を誇る物の、結婚して以来やたら所帯じみてる恭子(演ずるは川原亜矢子)。思いこんだら一直線、わかりやすい熱血純情体育会系バカ・田沼(演ずるは今井雅之とこれまたわかりやすいキャスティング)にもててもててしょうがなく、女には不自由しないはずなのに恭子のミステリアスな魅力にハマってしまう大畑(演ずるはブレイク直前の窪塚洋介)と絶妙のキャスティング。メインのストーリーも面白いのですが、田沼の暴走っぷりや恭子と大畑のバカップルぷりも楽しかったのです。さらには節子と光太郎にお見合いをさせた張本人にいしだあゆみジュディ・オングという強烈な二人、さらにさらに恭子がハマるドラマ内ドラマ・「愛のさざ波」には主題歌も担当していた野猿のメンバーと遊び心もたっぷり。幸せなまま11回を見終えることが出来ました。
最後に、もしまだユースケさんをバラエティでいい加減な事ばっかり言っている人と思っている人がいたら(あんまりいないとは思うんですが)「僕たちが周りに支えられたお見合いだから、結婚できません」と言ったシーンを見てください。なぜこのセリフが出たのかは自分の目でお確かめ下さい。



次回はふってくれリストよりid:danxmikadukiさんに回します。

*1:その当時は主演がユースケ・サンタマリアというのも十分特徴的でしたが