のまネコ

というわけでネット界隈(主に2ちゃんねる周り)で話題ののまネコ問題について。のまネコ問題って何?って人は調べてください。すぐまとめサイトが出てくると思います。

根底に流れるのはルサンチマン

著作権や法律を持ち出して、この問題を語ろうとする人もいるが、それは無理な話だと思う。なぜなら、日本のどの法律を探しても「ネットワークで自然発生的に出現したAAキャラクター」に関して規定した法律は無いからだ。近い法律はあっても、ズバリは無い。だから例え裁判になっても、近い法律と判例を探し出して裁判官が裁くことになり、結論は裁判官次第と言うことになる。
それより大きいのは、「強者・avexに弱者・2ちゃんねるが立ち向かう」という構図と思ってしまっていることにある。結末はどうなってもいいが、とにかくみんなavexに一泡吹かせたいのだ。

avexとしては当たり前

今回、avexがしたことは凄く納得ができる。

  1. ネットで「DRAGOSTEA DIN TEI」という自分たちが版権を持っている曲に、空耳をベースにしたFLASHが付いたものが人気を博した
  2. そこでこれをプロモーションに使おうと考えついた
  3. その際、2ちゃんねる発信とするのは、2ちゃんねるアンダーグラウンドなイメージがついてイヤだ
  4. というわけでのまネコという別のキャラと言うことにしよう
  5. なんかヒットしてるぞ、次はグッズ展開しよう

重要なのはavex2ちゃんねるイメージがつくことをイヤがったことだ。そしてこれは納得できる。やはり、今でも2ちゃんねる=悪のイメージはぬぐいきれていない。「電車男」もフジテレビ内では2ちゃんねるではなくBLOGから発信されたということになってしまっている。
ともかく、avexとしては当たり前のことをしただけなのに、ここまで叩かれることになったのか。それはネット上の物を使って金を儲けようとしたからだ。

2ちゃんねるで金を儲けるな

ネット上で問題のある情報(例・少年犯罪者の本名)が急速に広がってしまう、ということが何度も起こっている。これだけを指してネットを叩く人間もいるが、ネットの本質は「ご近所」を日本全国レベルに広げることにある。
もし、あなたの住んでいるところで、近所の住人の未成年者が凶悪犯罪を犯したとしたら、報道ではその人物の名前が出なくても、きっとあなたは誰が事件を起こしたかをうわさ話として知ることになるだろう。人の口に戸は立てられない。
そして、ネットの本質が「ご近所」を日本全国レベルに広げることにある以上、ネットでお金儲けは出来ないと思っておいた方が良い。
日本は特にお金儲けを嫌う傾向がある。急激にお金を儲けた物には、「成金」などと蔑むのが日本社会だ。日本で誰にも嫌われずお金持ちになりたかったら、元から持っているしかない。
そして、他の場所なら陰口を叩かれるだけだったろうが、2ちゃんねるというネット上でも相当実際の行動に起こしやすい人間が集まる場所で金を儲けようとしてしまった。こうなるのは当たり前だ。

ひろゆき」が必要だった

だが、肝心の2ちゃんねるでも、現在ではその周りでものすごい額の金銭が動いているだろう。それを皆が許しているのはひとえにひろゆきという特殊な人間の存在故にだろう。このひろゆき、未だかつて自分が大金持ちになろうとした行動を見せたことがない。周りでお金儲けをしているところにふらっと現れて茶々を入れていくというスタイルを持続している。おそらく本人は意識していないだろう。多分金銭欲が余り無い人なのだろう。(経済感覚は逆に凄くあると思う。そうでなきゃあの2ちゃんねるにかかる費用をまかなっていられない)
だが、このひろゆきという存在によって、2ちゃんねるが自爆するほどの急スピードで成長するのを妨げていた。
おそらく一般的な管理人だったら、もっと早い段階で法人化され、金銭回収するポイントをいくつか作り、そしてもっとひどいモラルハザードが何度も発生して今頃閉鎖されていただろう。
逆に今、自爆するほどの急スピードで成長してしまっているのがmixiだ。この段階で「mixiプレミアム」という形で有料化に踏み切ってしまっている。このままだったらmixiは崩壊に追い込まれるだろう(すでにほころびは見え始めている)早く「ひろゆき」的な感覚を取り入れた方が良い。*1

結論

avexは全てを捨てて2ちゃんねると全面戦争に突入するか(こうなったらavexもただではいられないだろう)自分たちの儲けの多くを捨てることにより展開のスピードを「ひろゆき」レベルの物に落とすかか、どちらかしか残されていないだろう。

*1:はてなも急速に成長しすぎている気がするのだが、近藤社長に「ひろゆき」的な感覚を感じられるんだよな