ボードゲーマーのためのアメフト講座〜第二回〜

それじゃ肝心のボールの運び方を説明します。アメフトのプレイブック(作戦を書いた本のこと)100ページ以上あります。プレイヤーは基本的にそれらの全部を頭に入れてプレーするわけですが、見る方はそんなこと知らなくても全然楽しめます。次のことだけ覚えておけば十分です。
アメフトでボールを運ぶ手段は基本的に二つ。ランプレーとパスプレーです。ランプレーというのはボールを手でもって運ぶプレーのこと。パスプレーはボールを投げて渡すプレーのことです。
じゃあ二つの差はどうなの?って話になってきます。ですが、これも次のことだけ覚えておけば十分です。
ランプレーはローリスクローリターン、パスプレーはハイリスクハイリターン。だからどちらにしようかジレンマが生じ、「クニツィーアめ〜」ということになるわけです。
ランプレーは一回でだいたい3〜5ヤード進めます。時々抜け出して独走!なんてこともありますが、まああんまりありません。それに対しパスプレーはうまくいけば一回でだいたい5〜10ヤード進めます。狙えば40〜50ヤード進めることもあります。「じゃあ毎回パス投げればいいんじゃないの?」って事になりますが、そうは行きません。
まず、投げたボールを上手くキャッチできなかったらそこでお終い。相手が攻撃を止めた扱いになって、ダウンが進んでしまいます。何もしていないのに。
さらに、万が一投げたボールを相手チームが取ってしまったら「インターセプト」となって問答無用でその瞬間にターンオーバー、攻守交代になってしまいます。こうなると大変です。あっという間に大ピンチです。野球で言うならトリプルプレーを取られたようなものです。囲碁で言うならいきなり相手が三手させるようなものです。
つまり「確実に進めるけれどあんまり進めないランプレー」を選ぶか「一気に進めるけれどインターセプトの危険もあるパスプレー」を選ぶか、これがアメフトの肝なわけです。
アメリカ人の大半は、それぞれのプレーがどういう意味があるかとかは考えずに、次のプレーがランプレーかパスプレーかを考えてるだけです。それだけで十分楽しめます。というわけでテレビで試合の中継を見かけたら、ぜひ一度ご観戦を。
明日は第三の選択肢、キッキングゲームについて。